皆さんも、始めてやることなのに、いきなりできる人を見ると
「スゴイ!」
と、思うことがあるかもしれませんが、
確かに、凄いことには間違い無いでしょうが、
それを間違った方向に解釈をして、自分のパフォーマンスを下げないで貰いたいです。

というのも、この様な人を見ること、もしくは、近くにいることで、自分はずっとやっているのに、全然だめだ。
と、自己評価を下げてしまうことがよくあるからです。

ですが、すでにタイトルにある様に
大体の場合、いきなりできることの多くは
すでにできること
もしくは
すでにできることの延長線や近い状態の内容だからです。

例えば
テニスを例にすれば
全く何もスポーツをやってこなかった人と
野球の経験者であれば、
野球経験者の多くは、ダブルハンドでのストロークは、すぐに打てるようになります。
これは、ダブルハンドのストロークとバッティングが近い動作だからです。

というか、近代スポーツの多くは、必ずと言って良いほどに、
どこかしらに共通点があることが多いのです。

ですので、
何かしらのスポーツを一つでもやっていると、他のスポーツを始めた時に、全てでは無いですが、
必ず、何かの内容で、今までのスポーツの延長線にあたる技術や内容に当たることがあります。

また、仮に技術面では共通点は無くても、試合の流れなどのメンタル的な部分で共通点がある。
例えば、先ほどのテニスで言うならば
Aさんは陸上の短距離走者で、Bさんはサッカーの経験者だとします。

この場合、Aさんよりも、Bさんの方がテニスの試合環境に近い状態でプレイした経験が長くあるので
試合運びや、精神的な慣れなどが、Aさんよりも有利になります。

ここではスポーツを例にしていますが、別に、スポーツだけでなく、
全てのことに言える内容と言えます。

ただ、なぜこの様な事に気が付かないのか?
私自身も疑問に思ったのですが、おそらく、テレビ番組の影響だと思った訳です。

というのも、
今はどうか知りませんが、
確かに、昔に私が見たことがある番組では
初心者、つまりは、未経験のタレントが、短期間で、凄い成長をした!
とか、
大きな大会に向けて練習をしており、「いきなり」凄いパフォーマンスをした!
という様なシーンを見た記憶があります。

おそらく、多くの人は、身近な人以外では、この様なメディアからの影響があり、
未経験でもいきなり、凄いことを「しなければならない」とか、変な思い込みを持ってしまったのでしょう。

ですが、再度書きますが、
最初からできることというのは、
ほとんどの場合、
すでにできることか、延長線の内容になります。

つまり、全くの未経験の内容ではない訳です。

それこそ、私は話にしか聞いていないのですが、
モーツァルトの映画で、いきなり、幼少期のモーツァルトが初めて見たピアノで軽々と素晴らしい演奏をした。
というシーンがあるらしいのですが、
これこそ、フィクション以外の何物でも無いでしょう。
現に、
モーツァルトはとにかく楽器を弾きまくっていたようだ。
という研究内容が最近は出ているようですし、
実際に、
モーツァルトには、ちゃんと先生がいたのは多くの人が知ることでしょう。

つまりは、デタラメな内容やデタラメな基準を持っている人に煽られ過ぎ。
と言えるでしょう。

確かに、未経験の内容でも、すぐにできる方が、当人もうれしいでしょうが、それは、たまたま運が良かった。
くらいに認識をしておくくらいで丁度いいです。
毎回の基準にしていては、凹んでばかりになるでしょう。

勿論、学習速度が速い人もいます。
ですが、それは、単に学習速度が速いことに慣れている。
学習という行為に慣れている。
というだけです。
多くの場合、この様な人は、一般的な人よりも多くのことを経験しています。

そして、先に逆説的なことを書いておきますが、
この経験した内容を「上手く利用をすること」で、学習速度が速くなります。

ただ、学習の基本は、脳機能で説明をするなら、
まだ使っていない細胞を使って神経ネットワークを構築することになります。

そして、この時に、すでに出来上がっている神経ネットワークを使ってしまうと、上手く学習が進んで行きません。

ここで、先ほどの逆説的な内容が出てきました。

基本は全く使っていない細胞を利用する。
この時にすでにある神経ネットワークを使うと学習が上手く進まない。
だけでも、学習効率を上げるには、すでにある神経ネットワークを利用する。
確かに、
このままでは矛盾していますよね?

ですので、最後の内容はこの様に言い換えましょう。

新しく学習をする内容とすでに出来上がっている神経ネットワークが
それぞれ共通をする内容だけを利用して、
新たに学んで行く。

という言葉が正確な言葉になります。

例えば
最初のほうに書いた野球経験者がテニスをする場合も
正確には、ストロークを打てるけど、かなり雑な状態でのストロークが殆どです。
ですので、この状態から
つまりは
野球の神経ネットワークの延長線でストロークを打っている状態から
少しずつ、もしくは、一気に
テニス本来のストロークになる様に、
「調整」をしていきます。

人にもよるので、絶対ではありませんが
例えば
手首の使い他を覚える。
腕の振り抜きかたをコンパクトにする。
打点を変える。
とかが、多くの場合当てはまる内容だと思います。

この様な内容は本当に微調整という内容なのは、読めばわかりますよね?

つまり最初からある程度の土台が出来ている人と、全く土台が出来ていない人との勝負になる訳です。

ここを理解していれば、この様な人達がそれぞれいる場面で、
土台が出来ている人は有能だと褒め、土台が出来ていない人は無能だと罵倒をする…。
という環境、人物は、とてもおかしなものである…。
と思うハズです。

これは指導的な視点で書きますが、
土台が出来ている、いないに関わらずに、
しっかりと、個人個人に向けてそれぞれのフォローをしてあげるのがベストと言えるでしょう。

また、この様なことを、「そうは言っても~」という言葉で蔑ろにしている人は
そもそも、最初から指導者の資格がありませんので、本来であればクビで良いハズです。
ですが、
日本の場合、本来であれば指導者という肩書、ポジションに相応しくない人物が居座っていることがよくあります。
まさに、その様な人物に当たってしまった人は不運としかいえません。

もちろん、「運が悪かったな」で終わりにはしません。

ここでは学習という視点での簡単なコツを最後に書いて終わりにします。

まず、身体技術に関しては
大前提は、
一流の人のプレイを、しっかりとイメージできるくらいに、何度も繰り返し映像などを見続けることです。

最近はYouTubeなどに公式の動画が配信されていることも珍しくないので、動画をフルに活用しましょう。

もちろん、配信動画などは
電気グループのピエール瀧さんの事件の様に
当事者が問題行為を起こすと、すぐに削除される可能性が高いです。

ですので、
出来れば、これからはお手本とする人が出ているテレビ放送を録画したり、DVDなどがあれば購入をして
形として残しておくと、時代を越えて、多くの人の役に立つでしょう。

例えば、
テニスであれば、
錦織圭選手やフェデラー選手、大阪なおみ選手は当然ですし、
自分が目指すプレイスタイルの人を見つけてお手本にするのも良いでしょう。

野球であれば、
大谷翔平選手は先日引退をされたイチロー選手が

「世界一にならなければいけない選手」

「バッターでもピッチャーでも両方で大きな夢を自然と見せてくれる選手」

大絶賛をするほどの選手です。

さらに、高校時代から自ら学ぶ姿勢はとても有名でしたから、
単にプレイの模倣だけでなく、選手としてどのように日々を過ごしていくのか?
という内面的な部分でも、とてもおススメの人物です。

もちろん、イチロー選手もそうですし、他にも多くの素晴らしい選手が沢山いらっしゃいます。

陸上であれば、
桐生選手、土井杏南選手は当然ですが、
個人的には、映像を探すのは大変でしょうが
男子前日本記録保持者の伊藤浩司選手や末續慎吾選手などの走り方もお手本にして貰いたいと思います。
もちろん、
ウサイン・ボルト選手やアリソン・フェリックス選手、ルメートル選手なども是非ともお手本にしてください。

この様に、お手本とする人達のプレイをいつでも自由に、どのシーンからでも、鮮明に思い浮かべることができるくらいに、
イメージングできるくらいに、とにかく、楽しんで覚えていくのです。

そして、イメージングがしっかりと出来るようになってきたら
そのイメージに合わせて自分の身体を動かしていきます。

また、個人的には、イメージング、身体技術どちらも、まだまだ未熟な状態でも、
試しに動かしてみる。
みたいな感覚で、気軽に身体を動かすのは、楽しむという目的ではおススメだと思っています。

ただ、この時に変な癖をつけないように注意ですが…。

また、この方法はスポーツだけでなく
楽器演奏や漫画や絵画、彫刻などにも使える方法です。

演奏行為やダンスなどの身体表現では
単に動きをなぞるのではなく、
その動きに込められた世界観をしっかりと感じる、共有をすることも意識しながら行うことが大切です。


では、受験勉強などの学習ではどうなのか?
ということですが、
当然今までの方法では上手く行きませんよね。

そもそも、座学系の内容は、例えば本のめくり方や書き方を真似ても意味が無いですから。

ただ、受験や資格勉強の場合もすでに書いたように
既存の神経ネットワークを利用して、新たな内容を学習をする。
というのが基本になります。

例えば
生物学の勉強をしている時に、中々頭に入って来ない場合は
一つは単純に知らないことが多いから。
という理由が考えられます。

この様なときは、すでに知っている内容で自分が好きな内容と
関連付けていくと、スムーズに行く可能性が高くなります。
例えば
細胞分裂の内容を勉強している時に、
教科書のままでは
とてもじゃないが理解できない…。
という場合は
ネットで、まずは
ザっとで良いので
細胞分裂に対して、色々と調べていきます。
例えば
漫画やアニメ、ゲームが好きな人であれば、
細胞分裂に関係するような作品やシーンをまずは調べていきます。
そして、自分が興味がある作品などが見つかれば、
可能であれば、その作品を一度読んでみると良いでしょう。

そうすることで、
教科書だけの知識や情報以外に、
面白かった漫画作品
という情報が追加されるので、
関連付ける内容が増えたことになります。

また、同時に教科書だけの時よりも細胞分裂に
興味や関心が強くなったハズです。

知識の学習においては
すでにある知識と関連付けて学んで行く。
というのが
大前提ですが
さらにその前にとても大切な内容があり
それが
興味があるか、ないか?
という部分になります。

当然ですが、
興味がなく、つまらないから、上手く学習が進まないのです。

私だって、某アイドルグループのプロフィールを100人分暗記しろ!
とか言われたら、とてもじゃないですが、耐えられません。

ですが、受験勉強などの場合は、こうも言ってられません。
ですので、
少し荒業になりますが、
興味がない内容に対して、どのように興味をもてるのか?という取り組みが必要な時もあります。

その様な時には、まずは自分の興味がある内容と関連付けられるのか?
というアプローチはかなり有効です。

これは「銀の匙」という漫画でも、同じような話が出てきましたので、興味があればどうぞ。

興味が出てきたら、あとはひたすら、関連付けていくだけです。
さらに慣れてきたら、
実際にその知識や情報を使っているシーンを想像する、可能であれば実際に行うことです。

先ほどの細胞分裂であれば、自分が科学者になったつもりで、細胞分裂の研究をしているシーンをイメージする。
もしくは、学校の実験で直接体験をする。
という行為をすることで
関連付けた情報、知識に、
体験的な臨場感が加わることになります。


そして、知識や情報を操作するうえで大切なのが、この「臨場感」になります。


情報に関しては、この臨場感が強くあるか無いかで、操作のし易さが変わりますし、
記憶の引っ張り出し具合も変わってきます。

ですので、
この臨場感を高めるという意味でも
最初から自分が好きな内容と関連づけていくと
本当に効果的になるのです。


学習とは
本来は
自分がまだ出来ないこと、上手く操作できないことを
より高い質で出来るようにすることを目的としています。

ですが、現代の日本では、この様な目的ではなく
単に
機械の代わりになれば良い。
自分で物事を考え、判断などしないで、命令だけを素直に聞けばいい。
という目的で、学習という言葉や行為が利用されていることが多いですし、
この様な人間を求めている人達も多くいます。

ですから、
すでにできることを、いきなりやる人を過大に評価をし、
本来の学習行為をする人を不当に評価をしたり、場合によっては罵倒したりする人が多いのです。

ですが、ここまで読まれた人であれば、この様な内容は学習では無いのは理解できたでしょうし、
できることの繰り返しでは
その内容が使い物にならなくなったら、その人の人生もその時に終わりになります。

なぜか、いまだに日本人は、世間や人は固定的である。
と思い込みたい人が多くいて
その都度変化に敏感に対応をする人の足を引っ張る傾向にあります。

ただ、これからの時代は
1時間に前に良かったものが、今この瞬間にダメになる。
というくらいに
変化が凄まじい時代です。

ですので、
学習というのは
変化に対応をすることであり、
本来の学習とは
今すぐに、いきなり出来ないことを
できるようにしていく行為です。

従来の間違った考え方に騙されないように、
そして、その様な人達から不当な扱いをされても
凹まないで欲しいと思います。

これから、新しいことにチャレンジするにも、良い時期ですから、
この記事を参考にして貰えれば幸いです。

それでは
今日も最高の一日を。


参考書籍

「オトナ脳」は学習できない! (フォレスト2545新書)
苫米地英人
フォレスト出版
2011-05-16