今回は、ポップスの「歌詞」を利用して、楽しみながら、想像力が鍛えられる内容を書いていきたいと思います。
これは、一つの歌詞から、様々な世界をイメージする!という内容なのですが、例えば、KinKi Kidsさんと山下達郎さんが歌われている「Happy Happy Greeting」という作品があります。

この曲の最初に「星が沈む海に太陽が昇る」という歌詞があります。この時にほとんどの人は、海水がある海をイメージすると思います。

しかし、一言に「海」と言っても、どのようなシーンであるのかは、具体的には人それぞれです。
例えば、Aさんは、砂浜に座りながら朝日を観ている。Bさんは、海辺の公園のベンチに座りながら朝日を観ている。という具合に、人によって一番臨場感があるイメージというのは違うものになります。

基本的にこの時に一番強くイメージできることの多くは、その人自身が直接的に体験してきた記憶をもとに無意識に作られることがほとんどです。
言い換えるのであれば、今ある記憶をもとに、歌詞がきっかけとなり、再度記憶を歌詞に合わせて合成をしているという状態です。
もちろん、このような内容は、個人にとって好ましいことが多いので、そのままで問題がない内容になります。

ただ個人的には、この状態に少しだけ工夫をして、様々な世界をイメージして、楽しんで貰いたいと思っています。
例えば、今回の歌詞であれば、普通の海ではなく「砂漠の海」で朝日を観ているシーンをイメージしてください。
これだけでもだいぶ新鮮な状態になると思います。

言葉、特に単語などは、多くの場合、自分が馴染みがある内容、イメージを優先的に想起させます。
これは、場合によっては、マイナスに働くことがあります。
身近な例であれば、「いつもより少し早く来てね」という時間の感覚で、5分前を少しと感じる人もいれば、30分前を少しと感じる人もいます。
この時には具体的な時間を提示することで解決できますが、このような個人の言葉の定義や感覚でのすれ違いと言うのは、日常的によくあることです。

しかし、今回の内容はこれをある意味逆向きに使う内容です。
つまりは、自分が馴染みがない言葉の定義や感覚を使って、自分の想像できる範囲を広げていく!という方法です。

先程の歌詞に戻ると、まずは、海水の海ではなく、砂漠の海のシーンを思い浮かべます。
そして、後に続く歌詞を、その砂漠の海を軸にイメージをしていくのです。
今回であれば、私のイメージの一つには、「アラビアンナイト」のような映像とストーリーがあります。

今回の方法はポップスの歌詞を使うことを前提としていますので、その曲のミュージックビデオを自分なりに作っていくという感覚がわかりやすいと思います。
しかも、一つだけでなく、いくつものパターンを自由に頭の中で作り、体感をしていくのです。
先程の「アラビアンナイト」のイメージのMVや、歌詞の言葉をなるべく直接的に捉えて作るMVとか、もしくは登場人物の年齢や性別を変えたり、いろいろと操作をする要素は沢山あるはずです。

実は今回のような、歌詞がそれぞれ別の意味合いとして成立をする、という表現方法は、結構なシーンで使われています。
具体的には、小田和正さんの「こころ」という作品では、歌のみで感じる世界観とミュージックビデオでの世界観が全く異なります。
それを一言で表すのであれば、曲のみの場合は恋愛的な意味合いで「世界中で一番、君が好き」という風にいえるでしょう。
しかしこれが、井上真央さんが出演するミュージックビデオの場合は、また違った意味合いでの「世界中で一番、君が好き」という意味と、そして「こころはつながっていく」という意味合いが強いと思います。
今回はあえてネタバレは書きません。というのも、それだけ初見でのインパクトが強いからです。
ですので、申し訳ないのですが、興味がある人は、まずは曲のみから触れて、それから、ミュージックビデオを見て貰いたいと思います。

このような表現方法の違いはまだまだありまして、山下達郎さんであれば「ずっと一緒さ」も、また違った意味合いになります。

ネットで有名なのであればバンプオブチキンさんの「天体観測」などが、かなり有名でしょう。
バンプ自らが、天体観測は恋愛の曲ではない!と断言をしており、その意味はミュージックビデオを見ればすぐにわかるはずです。

しかし、天体観測という曲をラブソングとして捉え、そのように表現をするのも、ポップスというジャンルではアリだと、個人的には思っています。

もちろん、クラシックのように、その作品の作り手の意思を尊重し、通訳者のように、作り手の意思をアーティスト自らがまとい、体現をする、それこそ役者のような表現方法も大切だと思っています。

しかし同時に、ポップスだから許される、個人ごとの解釈の違いという部分も、大切にしたいのです。
クラシックにおいては、元々宗教音楽としての役割がありましたから、自分勝手に解釈をすることができませんでした。
それこそ、先程書いた様に通訳者のように、元となる作品の意味をそのまま伝えることが大前提でした。

ですがポップスにおいては、このようなアプローチとはまた別に、自由にその人が解釈をして再構築をする、というのもありなのです。
だからこそ、作り手の意思をしっかりと読み取るという方法と、自分が自由に解釈をして、いろいろとアレンジを加えるという方法の二つを、楽しみながらできるようになると、本当に世界が広がります。

これは言い換えるのであれば、自分の世界を広げつつ、他人の世界をどんどん知っていくという行為になります。

今は手軽に歌詞を見ながら音楽を聞ける時代です。
そして、素晴らしい音楽は、現時点でも本当に沢山存在しています。
それらの素晴らしい作品を、作り手がどのような考えで作って表現をしていたのか?という作り手の視点になって作品を楽しみながら、同時に、自分が感じるままに、自由に解釈をして、自由に作品を楽しむという、異なった接し方をすることで、どんどん世界は広がっていくことでしょう。

そして、結果として多くの場面で、今回の方法で得た内容が役に立つはずです。
例えば、自由に解釈をするというアプローチからは、人それぞれ違うところがあるから、他人の違う部分をしっかりと認めよう、という風に思いやすくなるはずです。
そうなれば、人間関係での、いざこざに巻き込まれる確率も下がるでしょう。

もちろん、このような内容以外にも、IQを上げる訓練にもなりますし、情報収集における視野が広がることにもなります。
そして、何よりも楽しいのが一番だと思います。
気が向いたときに、少しでも試してみてください。
きっとハマるはずです(笑)

それでは、今日も最高の一日を。