「スコトーマ」とは、タイス式コーチングにおける専門用語で、「心理的な盲点」という意味になります。
有名な話ですが、もともと同名の眼の病気から来ているようでして、「盲点」という言葉の通りに、人間には様々な「見落とし」が存在をしています。

例えば、「今、自分の視野の中に鼻の頭があるのに気が付いていますか?」という内容や、「今室内にいるのであれば、エアコンや換気扇の音、もしくはHDDなどの機械の動いている音が聞こえていることに気が付いていますか?」とかが、よく出てくる内容になります。

このような五感や考え方の見落としというのは、誰にでも身近にある内容であり、そしてこのスコトーマは、自分が望む、望まないに関係なく、今、無意識的に必要としているもの以外を隠してしまいます。

これは言い換えるのであれば、まだ見ぬ自分の可能性なども見えなくしているのです。

このことについて、今回は記事にしていきます。


10年以上住んでいるのに、こんなに標識が多いことに今まで気が付かなかった…。

見出しの言葉は、鴻上尚史さんの「孤独と不安のレッスン」という書籍に登場をする一文です。

簡単に書きますが、この書籍の中で鴻上さんは、「人間は見たいと思うものしか見ない」という内容を書いています。

そしてその例として、鴻上さんがバイクの免許を取ったときのことを書いています。
それが、この「こんなに標識が多いなんて…」という内容になります。

今までの鴻上さんは、毎日のように徒歩で近所の道を歩いていたようです。
当然ですが、徒歩ですからバイクなどとは違い、標識による制限は格段に少なくなります。
これは違う言い方をするのであれば、ほとんどの標識の指示は必要がないものとして、認識をしている、ということです。

しかし、鴻上さんがバイクの免許を取ることで、今まではスコトーマで隠れていた、見落としていた、多くの標識が認識に上がる様になります。

これは今まで標識がなかったり、物理的に隠れたり、透明になっていた訳ではありません。
免許を取る前から、ずっと同じように、その場所に標識は存在をしていました。

そうなんです。

ずっと目の前にあったのに必要性を感じていなかったから、「目に入っていたのに、認識に上がらなかった」のです。

これが脳の凄いところであり、困ったところでもあります。

そもそも、このようなスコトーマが起きる理由は、脳がパンクをしないように防いでいるからです。
このスコトーマが起きないと、すべての情報を処理してしまうので、すぐさま餓死をしてしまいます。
それくらいに、世の中には多くの情報があるのです。

そして、このような餓死をすることを防ぐために、無意識に情報の取捨選択をするように進化したのが人間の脳になります。

ですが、この時の基準は、明確であり、かなりいい加減なのです。
矛盾をする言葉になりますが、これは事実になります。


スコトーマは、管理下に置くことができる。

管理下に置くことができる、と書いてある様に、多くの人はスコトーマを管理下に置けていません。
だからこそ、自分が意図しない内容で振り回される人が多いのです。

スコトーマが起きる原因の一つに、自分が持っている自己イメージがあります。

例えば、自分は人の良いところなど一切目に入らないで、欠点ばかりが目に付いて、毎日イラついて、人付き合いが大嫌いだ…という自己イメージの人と、欠点も見えるが、それよりも、他人の良い部分が沢山見えるので、人付き合いはどちらかというと好きな方だ…という自己イメージの人では、同じ相手を見ても、その人の評価が真逆になります。

これは、相手の側に理由があるのではなく、当人たちの側がきっかけになります。

このような自己イメージが元になって生まれるスコトーマは、多くの場合、その人の可能性などにも大きな障害になっていることがよくあります。

特に日本の教育は、可能性に蓋をする方向に行うことがほとんどです。
これは、日本の教育は専門家を作るよりも、工場の歯車として優秀であれ!という目的のために行われている部分が未だに強くあるからです。

また、このような教育で育った大人は、自分の子供や職場の人間にも、このような基準で無意識のうちに接するので、お互いが、お互いの可能性をつぶすようになっていきます。

そして、このような生活で出来上がった自己イメージで過ごしていると、すでにできる内容であっても、いつもと違う内容を前にしたときに、「自分には無理だ…」とやる前から諦めるようになります。

しかも厄介なのが、良くも悪くも、新しいことにチャレンジをしようとする人、している人の邪魔を無意識的に行うようになります。

それは、自分には何もできないという自己イメージの人にとっては、自分に出来ない行動をする人がいることは居心地が悪いからです。

だからこそ、日常的に大なり小なりの邪魔をする人が沢山居るのです。

ではこのような、他人に迷惑を自然とかける自分を変えるにはどうするのか?というと、自己イメージを変えるしかありません。

これをしない限りは、単に外面だけいい人を装うだけで、自分は嘘だと分かっているストレスで、苦しい日々を過ごす事になります。

ですので、全ての解決策は、自己イメージを変えるしかないのです!

そしてだからこそ、スコトーマを管理下に置くことができ、本当の意味で自分に不要な情報を隠し、必要な情報を自然と集められるようになるのです。

また、自己イメージを変える詳しい具体的な方法などは、このブログの「コーチング」関係の記事や、関連するリンクや書籍を参考にしてください。

身近なスコトーマを使って自己イメージを変える簡単な方法

詳しい方法は、先程書いた様に他の場所に譲ります。
というのも、ちゃんと理解をしようとすると、かなりの量になるからです。

ですが、比較的簡単な方法というのもちゃんと存在をします。

その中の一つが、いつもと違う選択をすることで自己イメージを変える方法です。

例えば、毎日コーヒーを飲むことが習慣になっている人は、無意識的にコーヒー飲むという選択をしていることになります。
この時に、紅茶や緑茶などの他の選択肢があっても、基本的にこれらの内容を無視して、コーヒーを飲むことを自然と選んでいます。

その理由の一つに、コーヒーを毎日飲むという自己イメージが出来上がっているからです。
この自己イメージに沿って日々の何気ない行動や思考、選択などが無意識に実行されるのです。

ですから、逆からのアプローチで、日頃何気なくやっている、選んでいる内容とは違う内容を意図的に、意識的に選択をすることで、行動から自己イメージを変えていくという方法です。

そして、この時のいつもと違う選択というのは、なんでもいいのです。

ここであればコーヒーの代わりに紅茶を飲むという選択ではなく、コーヒーが飲みたくなったら1ページ本を読むとかの全く別の内容でも良いのです。

なぜ、このような内容でいいのか?というと、無意識に出来上がっている自己イメージを少しずつ書き換えるためです。

この書き換えの時に必要なのは、いつもと違う行動、選択という内容ですから、実際に異なる内容は、すでに書いた様になんでも良いのです。

ただし、この時に大切にして貰いたいのは、いつもと違うことをしているときに、必ず理想とする自己イメージに、すでになっているイメージを持ちながら、もしくは、言葉にしながら行うことです。

例えば、毎日コーヒーを飲む習慣の人がダイエットをしたいと思っているとします。
この時にコーヒーではなく、紅茶を飲みながら、すでに理想の体系になっている自分のイメージを強く持ちながら、紅茶を飲むのです。

このように、いつもと違うことをしているときというのは、自己イメージが書き換え易いのです。
というのも、いつもと違うことをやっている時点で、いつもの自己イメージとは違う状態になっています。
要は、いつもの自己イメージが「揺らいでいる状態」ということです。
なので、固定化されている状態で書き換えを行おうとするよりも、書き換えが行いやすいのです。

そしてこのような、いつもと違う状態を、私は「自発的な、積極的な違和感」と呼んでいます。
要は、馴染みが無いことや、新しい発見や、スコトーマが外れた時の新鮮な感覚などを利用して、自己イメージをどんどん書き換えるのです。

また、最初に書いた鴻上さんのように、身近な見落としていた内容を見つけた時には、「ここにもスコトーマがあった。これで、また自分の可能性がまだまだ隠れていることが分かったぞ!」という感じで、「まだ見ぬ可能性が沢山あるぞ!」という感じの前向きな自己対話をするようにしています。

このようにすることで、実際に不要なスコトーマが外れやすくなり、一般的にいうアイデアや解決策などが浮かんでくる確率が高くなります。

日常は、自分を変えるきっかけで溢れている!

先程の内容であれば、最近だと家の近所に結構な数の歯医者があることに気が付きました。
最初は、たまたま目に入った歯医者をきっかけに、「何軒あるのかな?」という気持ちで、少しだけ注意をして外を移動していました。
そうすると本当に、「ここにもあった。あそこにもあった。」という感じで、今まで気が付かなかった歯医者を沢山見つけました。

このような感じで、その時々になんとなく気になった内容を上手く使って、「今日は〇〇の見落としを調べてみよう!」というような感じで、その日の違和感を積極的に使って、その違和感を楽しみながら、何度も書いているように、理想とする自己イメージをイメージする、言葉にして、現状から書き変えていくのです。

これは、比較的簡単な内容でありながら、効果的が高い方法でもありますので、気が付いた時だけでも良いので、出来れば毎日、短くても、一回だけも良いので、習慣にしてみてください。

また、自己対話や理想なイメージは、最初から明確にできなくてもOKです。
自己対話であれば、最初は棒読みの役者のように中身が無くてもOKです。
それを繰り返していくことで、少しずつその言葉の中身が出来上がってきます。
これは、最初は中身がない言葉でも、習慣化することで、無意識がその言葉の臨場感を自然と強めていくように働くからです。
ですから、すぐに効果が出てこないこともあると思いますが、その辺は焦らないで、マイペースに行ってください。

また、毎日できなくてもOKです。
というのも、人間は変化を嫌う生き物でもありますから、現状を維持しようとする抵抗に会うからです。
場合によっては体調不良がおきることもあります。
それくらいに、現状を維持する抵抗というのは強力なのです。
ですから、よく言うように焦らないで、マイペースに取り組んで欲しいのです。

また、マイペース=遅いということでもありません。
マイペースという名前の通りに、本当のところは、自分が心地よいペースを意味しているのですが、多くの場合マイペースという言葉はノロノロと遅いペースという意味合いで使われがちです。
ですが、このような間違いではなく、自分が心地よいペースで自由に行えばいいのです。

最近は、詐欺的なセミナーや、取った資格は効果があるが、その資格を取った人が行う内容には効果がない…なんてことは、よくあることです。

そして、そのような人たちに限って、宣伝には力を入れているのです…。

ですので、このような人たちの害悪の一つである、誰か他人に頼まなければ変化は起きない…という洗脳を無くして貰いたいという理由もあり、今回の記事を書いてみました。

当然ですが、自分の変化は自分で起こすことができます。

というか、それが本来は普通なのです。

ですが先程書いた様に、小銭欲しさに嘘をバラまいて、最悪カルト宗教のような信者を手に入れようとする人も珍しくありません。

だからこそ、「お前ひとりじゃ無理だから俺の信者になれや~!」という情報が溢れており、その情報を無意識的にでも触れることで、知らないうちに毒されている人が沢山居るのです。

ですから、そのようなプチカルト教祖の言葉はスコトーマで見えなくして、自分が望む内容だけにフォーカスをしていくように、変えていきましょう!

そしてそれは、誰にでもできることですから、焦らないで、本来の機能を蘇らせてください。



それでは、今日も最高の一日を!