今回は、今年の8月に発売された「秋本治の仕事術」という書籍の中で、一番印象に残っている作品として登場をする「希望の煙突の巻」が収録されている「こち亀141巻」についての記事になります。

一部ネタバレ的な情報がありますので、苦手な人はご注意ください。








第一版は2004年

こち亀は、中学生くらいから読み始めたのですが、その時にはすでに100巻を余裕で越えていたので、正直な話、全巻を読んだことが無いのです…。
しかし、それでも私はこち亀は大好きな作品の一つになります。
すでに連載は終了をして、本来であれば、「よし!全巻集めるぞ!」という感じなのですが、ご存知のように、今の日本は漫画以外の一般書籍でも 毎日平均で200冊以上の新刊が出ています。
それにプラスして、昔に発売されている書籍や、古典や洋書などがあり、中々漫画の方に時間やお金を使えないのが現状としてあります…。

また、こち亀は200巻もの単行本があるので、正直個々で集めるのも苦労をします。
が!
こち亀はコンビニ本などで安価に買えたり、西暦別の文庫本なども出ています。
なので私はその辺の書籍からこち亀に触れていました。

もちろん、、いくつかの単行本は持っていましたが、今回の141巻は持っていませんでした。
なので、仕事術を読み終わって一番最初に買ったのが141巻になるのです。
で…。
いつの時代の単行本だろう?と思って見てみると、見出しにもあるように「2004年」に書かれたようです。
この書籍には後述をする、これまた私の大好きな漫画家さんがゲストでコメントなどをしているのですが、2004年のこち亀は連載から28年とのことです。

つまりは「希望の煙突」というお話は、秋本さんが28年以上こち亀を書き続けて来た中での、一番の作品だったのです。
そして結果として、当時だけでなく連載終了をしてからも一番の作品になりました。

その辺のことは仕事術の中で書かれていますので、詳しくは、そちらをご覧ください。

実は、私が一番好きな「こち亀の年代」も、ちょうど1990年頃から2006年くらいまでのお話が一番好きなのです。



ネットの普及と過剰なコンプライアンスの戦い

なぜ、一番先程の年代が好きなのか?というと、本当に「いいバランス」だと思うのです。

というのも、ネットがより日常の中に溶け込んでくる2006年以降のこち亀では、コンプライアンス的な内容の影響を強く受けている…と個人的には思からです。

違う言葉で言うのであれば「ちゃんと読みもしない、関係がない外野がいちゃもんをつけることが多くなった…」ということです。

これは、2006年くらいから出始めた言葉である「クレーマー」という言葉がわかりやすいでしょう。

この辺の「関係がない外野のいちゃもん」が原因で、世の中の息苦しさや不自由さが増してきたのは、皆さんもなんとなく思い当たる節があるでしょう。

詳しくは知りませんが、作品を読んでいる中で、当時から感じていたのは、すでに書いたような印象です。
というのも、こち亀は集英社が発刊をする少年ジャンプに連載をしていました。
集英社と言えば、多くの人がご存知のように超大手企業です。
しかも、集英社はジャンプだけを出している会社ではありません。
ジャンプ以外にも多くのビジネスを展開しています。

今でこそ、過激な作品などが人気になっていますが、それはある程度世間が変わってからのことです。
つまり変化が一段落した後に出てきて、人気になった作品たち…ということですね。

しかし、こち亀は、変化の最中も連載を続けていました。
つまりは、一部の困った人間からの逆風を受けながら、それでも連載を続けていた。
その為に、色々と思考錯誤をして、その時代に合わせた作品作りをしていたのです。

このように書くと、2000年代後半以降の作品がダメなように聞こえますが、もちろん違います。
私は、この時代のこち亀も大好きですし、普通に面白いを通り越して、他のジャンルの内容で自然と勉強になったお話も沢山あります。
もちろん、単行本も何冊かあります。

ただ、昔の作品と近年の作品とを比べると、私の中でのインパクトなどが弱くなったな~という体感があるだけです。
もちろん、その代わりの良さも沢山出てきています。

なので、これは私の感覚ですが、こち亀というのは、年代によって違う作品として感じる、稀有な作品である…という感覚があります。
たぶん、このような感覚を持っている人は、私以外にも多いと思います。
そして個人の好みの違いとして、先程書いた1990~2006年頃のこち亀が私は一番しっくりくる…ということなのです。

もちろん、何度も書きますが他の時代も好きですよ。
連載初期のころの中川さんとか、麗子さんのハチャメチャぶりとか…。
失礼。
二人は最後までそうでしたね(笑)

ただ、80年代のボルボ西郷さんとジョディーさんとのやり取りとか、大好きですから。
つまりは、あ~だ、こ~だと書きましたが、こち亀は全部面白くて最高だ!ということです(笑)



アニメ版こち亀も面白い!

実は私はコミックよりも、アニメ版の印象の方が強いお話が多いのです。

今はどうか知りませんが、某ケーブルテレビでは、こち亀がよく?流れていました。
正直言うと、「希望の煙突」も、アニメで見た記憶があるな~という感じなのですが、詳しくは覚えていなかったのです。
ただ、たぶんですが、アニメと漫画は違うストーリーな気がします。
これは本当に、私の勝手な憶測ですので真に受けないでください。

ただ、ボルボさんとジョディーさんとの婚活バトル?は、アニメと漫画ではかなり違うんですよね。
私としては、アニメの方がハチャメチャで好きでした(笑)
そして、結構セクシーなシーンが多かったと思うのがこち亀のアニメですが、 これも今のような「外野がうるさい時代」だと難しいでしょうね。

たしか、こち亀アニメの監督だった高松信司さんは「銀魂」というアニメでも監督をされているハズです。
「銀魂」も、とても人気がある作品ですが、この2作に共通をする内容の一つに「いい意味でのハチャメチャさがある」と思っています。
なんと言うか、もちろん、全部を見ているわけでは無いですが、2作品とも「安心してドタバタを観れる」という感覚がとても強くあります。

他にも、アニメならではの良さも沢山あります。
例えば、こち亀の声優さんは舞台などの役者さんが多いのですが、声の芝居もお上手な人がほとんどなのです。
というか、私の記憶している限りでは、ほとんどのキャラクターに違和感がありません。
なので、そういう意味でも自然と楽しめるので大好きですね。

ただ、今またアニメ化をしても、このハチャメチャぶりがちゃんと出るのかが心配ですから、安易にアニメ化をして~とは書けないんですよね。
そこが、少し残念なところです。



矢吹健太朗さん、登場!

最初に書いたゲスト漫画家さんは、当時は「ブラックキャット」の連載が終了してすぐの矢吹さんになります。
他の書籍でも書かれていますが、矢吹さんの才能をいち早く見出だしていたお一人が、秋本さんになります。

この141巻には当時の矢吹さんのイラストで描かれた両さんたちが登場をします。

矢吹さんは、確か999巻だと思いますが、141巻以外にもこち亀のイラストや特別漫画を描いています。
漫画家さんには良くあることですが、月日が経つことで絵柄が変わることが多いですが、これは矢吹さんにも言えることです。
もちろん私は、今の絵柄も、当時の絵柄もどちらも大好きです。

他にも矢吹さんのコメントを読むこともできるので、矢吹さんファンの人にも、141巻はおススメが出来ます。



おわりに

今回の記事は141巻の簡単な感想を中心とした記事になります。
ただあえて、個別のお話については、書くのを避けてきましたが、最後にちょっとだけ、書いちゃいましょう(笑)

こち亀の良い所の一つが、その時代の世相が良く反映されている…というところがあります。

その中でも、私が「そうなの!?」と思ったのが、警察官の人たちが制服でコンビニなどに買い物に行ってはダメだった…ということです。
まあ、今も詳しくは知りませんが、どうやら2004年頃までは、警察の中では、コンビニなどに買い物に行くときには、私服に着替えなければいけない… という暗黙のルールのようなものがあったようです。

しかし、これくらいの時代から「防犯のためにも、制服のままで買いものをしてほしい」という「コンビニ業界からの依頼があった」ようです。
その為、今まではやり玉に挙がっていた両さんの行動が、一気に風向きを変えることになるのです。
…とまあ、そのような現実での出来事をきっかけとしたお話になるのですが、そこは当然「両さん」になります。
ちゃんとオチをつけてくれました(笑)

他にも、当時はこのような出来事があったんだな~というのを、わかりやすく、楽しく私たちに教えてくれることが沢山あります。

この巻だけでなく、私のように適当に選んで読んでも、楽しめる「不思議な漫画」ですから、皆さんも、お好きな巻から読むのも良いと思います。



それでは、今日も最高の一日を!