複数の音源を同時に聞くことで脳の並列処理能力を鍛えることができます。
一般的な言い方では「マルチタスク処理能力」と言うほうが、身近でしょうか。
並列処理とは、文字の通りに複数の異なる内容を同時進行で行って行くことです。

良くある例では、楽譜を見ながらピアノを弾く。
ギターで演奏しながら歌を歌う。
自転車や車を運転しながら会話をする…この他沢山あります。

元々、人間は並列処理を得意としています。
しかし、なぜか人類は並列処理を抑え込めるような教育や方法を常識にしています。
有史以来、どうやら、せっかくのマルチタスク能力を鍛えるのではなく、シリアルな処理を良しとする教育が行われてきました。
そのため、多くの人が、せっかく高い生産性を元々持っているにも関わらず、その能力をほとんど使うことなく、もったいない時間を過ごしています。

この並列処理を鍛えることは生産性を劇的に高めることに直結をします。

そのための簡単な方法をいくつか書いていきます。

YouTubeで2つの動画を同時に再生しよう

まずはYouTubeを利用するやり方があります。
とても簡単で、二つ(複数)の動画を同時に再生して、二つともちゃんと理解できる様に聴く。これだけです。
私はこの記事を書きながら4つの音源を同時に聴きながら記事を書いていますが、確かにこれはかなりきついです。
ですが、2つくらいであれば間違いなく、ほとんどの人は1週間もかからないで、普通に聞き取れるようになるでしょう。このように、ある程度続けていくと、自然に出来るようになっていきます。



オーバーロードや混乱などの注意点

注意点もいくつかありまして、並列処理の訓練は慣れるまでは、それぞれのクオリティーが下がると思います。
理由は、並列処理に慣れていないからです。
なので、訓練をするときにはミスしても大丈夫な内容でやってください。

また、並列処理の訓練をしていると、途中で急激な眠気に襲われることがあるかもしれません。
これは「オーバーロード」という現象で、PCにおける強制シャットダウンになります。
つまり、並列訓練が出来ている証拠になります。
しかし、「まだ」並列処理に「慣れていない」ので、負荷が大きいために、最初のうちはこのように「オーバーロード」が起きることがよくあります。
これは、繰り返していけば、そのうちにオーバーロードしなくなります。

また、「オーバーロード」とは別に「混乱」してきたら訓練をやめてください。混乱をしてきたら、すぐにやめて、リラックスをするようにしてください。もしくは、その訓練を終わりにして他の内容に移ってもいいでしょう。
「オーバーロード」と「混乱」の体感は、個人的には、かなり違うので、皆さんも体感的に違いが判るはずです。ただ最初のうちは、違いがよくわからない可能性もあるので、慣れるまでは、無理をしないで、短時間や途中で終わりにしてもかまいません。
とにかく、短時間でもいいのでリラックスして無理せずに取り組んで欲しいと思います。


ポップスの曲を使った簡単な訓練方法

ただ、このYouTubeの方法だと難しく感じる人のために、少しレベルを下げた内容を次は書きます。
それは、JPOPやクラシックなどで全ての楽器の演奏をしっかりと聴くという訓練内容になります。
基本的に、ほとんどの人は歌ものであれば歌以外の楽器の演奏は意識的に聞こえていません。
これを意識的に聴くだけでも結構な並列処理の訓練になります。
まずは、自分が聞き取りやすい楽器から始めて一つずつ楽器を増やしていくと簡単でしょう。

ちなみに、歌が上手くなりたいのであれば、まずはベースの音を意図的に聴くようにすると良いでしょう。
ベースという名前の通りに基本的に曲の根幹を担っている楽器パートになります。この楽器を基にして、当然ですが歌のメロディーも展開されていきます。
勿論、一部の楽曲ではベースが無い曲もありますが、ほとんどの曲にはベースがありますので、ここから意識的に聴いていくと後々楽になります。
というのも、多くの人は最初のうちはベースの音をしっかりと聴くのも大変だからです。
すごく簡単に書くと目立たない音だからです(笑)
ですが、この音が曲を支えるときにはとても重要なのです。
人にも当然寄りますが、ベースの音をしっかりと聴きとれるようになれば他の楽器を聴きとるときにも楽にできるようになるハズです。
これも無理しないで、気軽に取り組んでください。

身体を動かす並列訓練

さらにここからは、実際に身体を使う内容も書いていきます。
これは、私のオリジナルなのですが、ある種のリトミック的な内容になります。
自宅でも簡単に出来ますのでおススメですよ!

まずは椅子に座って、左足で4ビートの1拍目を刻む(かかとは浮かせずに、つま先だけでタップする)。
右足で8ビートを常に刻む。
右手で三角形を宙に書く。
左手で四角形を書く。
声に出して300から3ずつ引いていく。
これらをすべて同時に行います。

手と口の方は問題ないと思いますので足の説明だけ。
これは、小中学校でやった内容です。
一小節を4等分したのが4ビート、8等分したのが8ビートになります。
今回であれば、左足は「1・2・3・4」と数えているときの「1」の時にだけ足をタップします。
右足は常に足でリズムを取ります。
このときは「表の拍」でタップしてください。
表の拍とは「1ト2ト3ト4ト」と8ビートは数えていくのですが、この時の数字が「表」になります。
それとは逆に「ト」の箇所を「裏拍」と言います。
今回であれば、表の拍で踏むことになるので、裏拍の時には足が上がっている状態になっています。
(これは、ダンスでいえば「プレパレーション」(準備動作)になります。)
そして、数を数えるときには2小節分の8カウントで数えるとやりやすいと思います。
2小節で1パッケージとすると、2小節目の1拍目はカウントでは5になります。
右足では常に表拍をタップして、左足では1と5の時にだけタップします。この時にだけ両足同時になります。
もしかしたら、これだけでも並列訓練になる方は多いかもしれません。

人間の脳は意識的なモノでも2つまでは、比較的簡単に出来るようになるのですが3つ以上になると「一気に」難しくなります。

例えば、両足だけなら難なくできたのに、片手で宙に〇を書くという内容を一つ加えただけでも、一気に難しくなります。
この訓練は思考能力も身体操作能力も同時に鍛えられるのでとてもおススメです。
すでに書きましたが、ここでも「オーバーロード」と「混乱」をしてきたら、無理に継続をしなくてOKです。出来る範囲で取り組んでください。

また、特に楽しみながら出来るのがカラオケなどで、座った状態で歌いながら「右足で常に表のリズムを刻む、左足で1と5の時にだけリズムをとる」という動作を追加する方法です。
もしかしたら最初は歌いにくいかもしれません。
ですが、繰り返し書いていますが、慣れるまでは、上手く出来ないのは当然です。

これは、自転車や車の運転に似ています。
とくに、自転車であればよくわかるのではないでしょうか。
最初のうちは漕ぐ事すらも上手く出来ませんが、少しずつ出来ることが増えてきますよね?
並列処理も同じように、少しずつ「精度」が高くなっていきます。
なので、1曲だけでも良いので、実践してみたください。
また、これが楽にできるようになると、今までのように普通に歌うときに、以前よりも楽に、自分の思うように歌いやすくなります。
これは、並列訓練によってマルチタスクによる処理能力が鍛えられた為です。
並列訓練の時には歌いながら両足を異なる動きをさせているので、その処理にエネルギーを使っています。これが、普通に座って歌う時には両足のタスク処理がないので、今までよりも楽曲への処理にエネルギーを使えるようになります。
だから、今までよりも楽に自由に歌えるようになっていきます。


並列思考で生産性を高めよう

そして、今まで書いてきた内容は勉強や仕事の能力アップにも繋がります。
本当に?と疑いたくなるでしょうが、これは事実です。
どちらにも共通をしている内容の一つに、複数の内容を同時に思考できるようになることです。

例えば、仕事であれば、A、B、Cという内容を考えながら、会議に出たり、PCで作業をしたりすることが、簡単にできるようになります。
このときの「並列思考」の体感としては言語で思考をするのでなく、言語化しないで、非言語による、イメージでの思考処理をしていきます。
並列思考や処理において、この非言語のイメージでの処理というのは、必須になってきます。

当然、このブログのような言語化を必要とする内容も可能です。言語化する必要がある内容は、後で言語化をすればいいだけですから。
ここであれば、記事の内容をイメージで作り上げ、そのイメージを言語化して打ち込んでいるということです。

学習であれば、関連事項との繋ぎ合わせが行いやすくなります。
学習とは、今知っている内容を利用して、知らない内容を知っていくという作業になります。
この時に、関連付けられる知識や情報が多いほうが、学習がスムーズに進んでいきます。

例えば、地理などであれば、単に教科書を無機質に丸暗記するよりも、自分が好きなアニメの舞台になっていた…という情報が加わることで一気に、学習の質が高くなるのは、なんとなくわかるでしょう。
もちろんこの場合は、好きなアニメの舞台、聖地であるという好奇心も追加されていますが(笑)
この時に、教科書の内容に対して、関連してくる内容が次々と頭の中にイメージとして浮かんでくるでしょう。
例えば、この町のシンボルとなっている、大きな川は、あのアニメでバーベキューをしていた…とかの、自分がすでに知っている情報が追加されやすくなります。
これらは、意識的に並列処理の刺激を与えた訓練をしていることで、無意識の領域での処理を、上手く利用できるようになったからです。



並列処理と無意識と慣れ

並列処理、マルチタスク能力の向上とは、一言でいえば、無意識領域の処理を利用できるようにしていくことになります。
無意識での処理…と聞くと皆さんは、怪しく思うでしょうが、実は、無意識による処理は、皆さんも身近に、日常的に行っています。
その典型的なのが、すでに書いている、自転車や車の運転になります。
他にもスポーツや武術、楽器や絵画などの芸術を含む、多くの身体動作、身体表現の能力もこの無意識が関係しています。

自転車を例にするならば、自転車の運転を無意識化できたことで、その瞬間から、自転車が乗れるようになるのです。

そして実は、無意識化とは「慣れ」のことでもあるのです。
つまり、慣れるというのは、対象の無意識化が完了をしたということでもあるのです。

多くの人は、自転車に乗れると思いますので、事故などを起こさないように注意をしながら、その時の体感を少し観察をしてください。

必ず、シリアルな観察では不可能なのが理解できるはずです。

例えば、ペダルを漕ぎつつ、腕でハンドルを握ってバランスをとりつつ、耳や目で周囲の状態を確認している。
すごく簡単に書きましたが、最低でも、これらの内容をすべて、常に同時に行っています。
自転車がうまく乗れないのは、これらを同時に処理できないからです。
例えば、ペダルを漕ごうとすると、バランスを維持できなくて、ふらついてしまうというのがわかりやすいでしょう。
これらの内容がすべて同時にできるようになることで、自転車を自由に乗れるようになるのです。

ですので、並列処理、マルチタスク処理というのは、皆さんが見落としているだけで、多くの人が日常的に利用をしている内容なのです。

ただ、仕事や学習の時には、なぜか、マルチタスクではなく、シリアルに順序立てて行うことが良いことである…という、変な内容が一般的になっています。
ですので、この変な常識を打ち破って、生産性が高く、学習効率が良い日々を過ごしてください。

すでに書いている内容は、基本的にどこでも可能な内容になっています。
取り組む時間も、毎日何時間とかでなく気が向いたときに5分だけ…とかでも、しっかりと継続をしていれば、ちゃんと成果は出てきます。

あとは、ケガや事故、大きなミスには注意をしながら、日々の生活の中で、意識的に複数の内容を同時に行ったり、考えたりしてみてください。
スキマ時間を利用したり、ふと、気が付いた時に短時間でも繰り返すことで、どんどんマルチタスクの能力は鍛えられていきます。

あとは、このマルチタスクの処理に「慣れる」ことで、今までのシリアルな処理状態と比較をしたときに格段に生産性が高くなっていることに、ふと、気が付くでしょう。

それでは、今日も最高の一日を。



主な参考書籍

絶対成功する44のルール [Kindle版]
苫米地英人
コグニティブリサーチラボ株式会社
2013-03-04