人間の成長曲線は基本的に「シグモイド曲線」で成長していきます。

シグモイド - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%A2%E3%82%A4%E3%83%89


何かを学習するときには、このような曲線で成長していきます。
つまり、最初のうちは、なかなか目に見えた成長の実感が難しいことがほとんどです。
しかし、これの積み重ねが成長への確かな道になります。
まさしく、「Baby Steps to Giant Strides」です。

この成長曲線も人により変化のスピードが違ってきます。
同じ内容をやっているのに雲泥の差が付くのはいくつかの理由があるのですが、その一つに、元から持っている神経ネットワーク(学習の成果)による違いがあります。

ですが、これは上手く使えないと逆に学習の時間が多くかかってしまいます。
理由は、元からある神経ネットワークが活性化してしまい、学習したい神経ネットワークの構築が上手く出来ないからです。

例えば、よく言われているのが野球少年が大人になってゴルフを始めるときでしょうか。
このとき、ドライバーを上手くスイングするための神経ネットワークを構築する必要があります。
しかし、実際には多くの人が、昔に出来上がったバットを振る神経ネットワークを無意識的に使ってしまいます。その為に、なかなか思うようにドライバーで飛ばすことができません。

なので、新しい神経ネットワークを作るときには、既存の神経ネットワークの活性化を「抑えて」新しいネットワークを構築していく必要があります。

この時に行う必要があるのが「リラックス状態を作る」ことになります。
身体の状態は、とくにスポーツでは、同じ個所でもスポーツごとに「筋肉の使い方の癖」が異なってきます。
ちなみにこの「癖」と言うのは、それぞれの種目における身体技術の神経ネットワークのことを、ここでは意味しています。
なので、これらの癖を一時的にでも「リセットする」為に、身体を緩めてフラットな状態にしてあげる必要があります。
この状態にしてから実際に体を動かすことで、何もしないよりも新しい神経ネットワークの構築、つまり学習のスピードが速くなり、質も高くなります。

一般的にはシグモイド曲線の考えを基にするのであれば、最初の段階は中々目に見えた成果や手応えというのを実感ができません。
ただ、これはあくまでも体感としての話が基になるのですが、身体的な内容でも情報的な内容でも、おそらく、まだ、成長曲線が上がり調子になる前から、しっかりと極々小さいながらも、成長の兆しはどこかで出ているハズです。

例えば、テニスであれば昨日よりも良い当たりが一球、一瞬多くなったとか、ステップが上手く運べるようになったとかです。
英語であれば昨日よりも楽に発音ができたとか、英文の内容がわかった瞬間が少し増えたとかになります。

「些細な成長への変化」というのは間違いなく、どこかの瞬間で表面に現れているハズです。
ですので、この「目に見えないが、確実に小さな成長をしている期間」を腐らないで、焦らないで、乗り越えて貰いたいと思っています。

シグモイド曲線での成長と言うのは生得的に、人間が進化の過程で手に入れた方法になります。
ですので、自分だけでなく周りの人の成長や変化に対しても、焦らないで、ある意味じっくりと…では無いですが、成長の兆しが見えるまでは、温かく見守る姿勢も大切です。

そして、少しだけコツを書いておくと、何事にも共通をするのは、新しく習得をしたい内容を繰り返し行うことになるのですが、その時に「前回よりも質を高めていくぞ!」という気持ちを常に持って、その様に回数をこなすことです。

これは一般的な言葉で言うのであれば「一回一回を大切に扱う」という感覚で実践をしてもらうといいかなと思います。
これはよく聞く内容かもしれませんが、今回の記事の様に「既存の神経ネットワークを使わないで新たな学習を行う」という内容においては、とても効果的な考え方になります。
というのも「大切に行う」というのは「神経ネットワークへの刺激を強くする」ということであり、「一回一回の質を高める行為」だからです。
「大切に行う」と言うのを、別の言い方で表すなら、「強く意識をする、意識に上げる」という言い方でもいいと思います。

ただし、ここでの「強く意識をする」というのは、緊張をしたときに起きる「ぎこちなさ」のような状態ではなく、何度も書いているように、「行動、行為を意識に上げて、把握している状態」ということです。
これは、感覚的なものなので、言語だけで伝えるのは非常に難しい内容でもあります。
ですので、これは実際に実践をして、体感をしてもらうしかありません。

ただ、このような体感を一回でもいいので認識できると、身体的な内容でも、情報的な内容でも、どちらに関しても、非常に操作がしやすくなります。
しかも面白いのが、身体的な内容で、つまりはスポーツや武術、または楽器演奏や歌、もしくは絵画や彫刻などの、身体操作の内容で体感できた感覚を、英語の学習などをはじめとした、知的な内容にも応用ができることです。もちろん、この逆も可能です。
もう一つ、漫画でこの感覚を表しているシーンが登場をする作品を紹介しておきます。
その作品は週刊少年マガジンで連載をしていた、勝木光さんの「Baby Steps」というテニス漫画になります。
この漫画の中で「確かな一球」という言葉が出てきますが、この言葉は、今回の内容を上手く表現をしている言葉の一つだと思います。
詳しくは、実際に漫画を読んでもらいたいと思いますが、簡単に書いておくと、実際に身体で打ったショットと、頭の中で思い描いたショットとの誤差を、しっかりと認識をし、この時の誤差を無くしていく作業の積み重ねにより、成長をしていく!と言うのが、この言葉の意味するところでしょう。
もちろん、私がすでに書いている内容と、共通をする部分もありますが、当然これだけではありません。
ただ、先程も書いた様に、これは非言語の体感としての内容なので、実際に体感をして貰えないと理解はできないでしょう。

それこそ、自転車に乗った時の感覚を正確に言葉で説明をしてくれ!と言われて、本当にしっかりと説明をするとなると、めちゃくちゃ長くて大変な作業になるのは理解ができると思います。
しかし、実際に自転車に乗ってしまえば、その時の感覚は一瞬でわかるのも理解できるはずです。
この内容は、まさにそのような内容の話ですので、ここから先は、実際に体感をしてください…としか、今は書けません。
ただ、おそらくですが、この感覚は、多くの人にとっては、すぐにわかる体感のハズです。それくらいに、ハッキリとしています。まさしく、自転車に乗った体感のように。
ですので、何度も書いていますが、実際に実践をして、体感をしてください!ということです。

そして、質が高くなれば、その分だけ成長が速くなるのはわかると思います。
ですので、できる範囲で良いので、意識してやってみてください。


そしてここからは、学習速度をより高める内容を書いていきます。
そのためには、まずこちらの記事を参考にしてください。
また、こちらの記事の中に出てくる、「リスタ」さんの記事も、可能であればお読みください。

抽象度を上げる=IQを上げる。 IQが上がれば、生産性が上がり自由な時間が増える。


この記事の中で「抽象度」という内容が出てきましたが、実は加速学習をする際に大切な要素の一つがこの「抽象度」になります。

先ほどは、既存の神経ネットワークを活性化させないで学習することが重要であると書きました。

ですが、ここからは、既存の神経ネットワークを上手く利用した方法を書いていきます。

すでに書きましたが、同じ内容をやっていても人により成長の差があるときには、より早く成長をしていく人の場合、運よく、自然と、既存の神経ネットワークを上手く活用できていることが多いのです。

その理由は、新しく学習する内容と既存の内容の「共通部分」を上手く使っているからです。
これは、「リーストアッパーバウンド(LUB)」と言って、数学における「最小公倍数」の考え方がわかりやすいでしょう。
このLUBを上手く使うことで「加速学習」が可能になります。

テニスで例えるなら、最近はサーブ練習に野球の投球フォームを利用することが多くなりましたが、投球の腕の動かし方や手首の使い方などが、テニスにおけるサーブの動作と共通する部分が多いので、この共通項を利用してサーブの神経ネットワークを構築していきます。

しかし、最初のほうでは、既存のネットワークを使っていると学習が遅くなるとも書きました。
一見すると矛盾する内容ですが、そうではなく、必要な既存の神経ネットワーク「のみ」を使うのです。

先ほどの例であれば、野球のフォームのままサーブを打っても、まず、まともに打てません。これは、下半身の動作がサーブに必要な動きとは全く異なるからです。
しかし、必要な動作のみをピックアップして、サーブの動きに組み込むと上手く打てます。
つまり、学習が速い人は、これを感覚的に行っているのです。

さらに、凄いことを言いましょう。
今までは学習したいことと1つの内容で書いてきました。
新しく学習したいことがテニスであれば、昔やっていたことが野球である、そして、野球の使える部分を利用するということを書いてきました。

しかしこれが、昔にバトミントンやバレーボール、剣道やバスケ、陸上の短距離などを経験している人が、これらの神経ネットワークのそれぞれのLUBを取ることで、より早く、よりハイクオリティーな学習成果を得られます。
ここでいえば、バトミントンから手首の使い方を。バレーボールなら背中の使い方を。剣道なら体重移動を。バスケットなら視野の広さを。短距離ならショートダッシュを、テニスへと組み込むことで加速度的に成長が速くなります。

その時の訓練として先ほど張った、リスタさんに書かれている訓練が役に立ちます。
このLUBは学習全般で活用できます。

そしてここで「クリティカルエイジ」について書いていきます。
クリティカルエイジとは学習限界年齢のことですが、これは神経ネットワークを固定化することにより、観られる現象です。

クリティカルエイジの期間に上手く学習をできれば、クリティカルエイジを過ぎた期間よりも効率的に学習が行えます。

クリティカルエイジは内容によって期間が異なり、言語であれば13~14歳くらいに固定化がされますが、生まれて数週間で固定化されるものもあります。

固定化がされた内容は、そのままでは効率的に学習が進んでいきません。
もちろん、固定化がされているからと言って、まったく変化が起きない訳ではありません。
ただ、効率が著しく悪くなるという意味です。

しかし、クリティカルエイジは克服ができます。
その克服方法はいたってシンプルで「使っていない脳細胞を使えば良い」という方法になります。

クリティカルエイジは神経ネットワークの固定化によりおきます。そして、固定化された後は、固定化されている神経ネットワークがより強く使われるようになります。
なので、新しい学習、神経ネットワークを作る際にも優先的に固定化されているネットワークが活性化されるので、上手く新しい学習が進まないのです。

しかし、学習とは新しい神経ネットワークを作ることです。
そして、使われていない脳細胞はもの凄く沢山あります。
その未使用の細胞を最初から使えばいいのです。

しかし、すでに書いているように、クリティカルエイジを過ぎると優先的に固定化されている神経ネットワークを使うので、未使用の脳細胞で新しい神経ネットワークの構築が上手く進んでくれません。

それを防ぐためにも、「固定化されている神経ネットワークを活性化させないように学習していく」必要があります。
そのための簡単で、かつ、効果的な内容が最初の方に書いた「身体をリラックスさせて、身体の癖を一時的にでもリセットさせてから取り組む」という内容になります。

この、「既存の神経ネットワークを活性化させない」ということが、まずは基本になり、クリティカルエイジを克服する重要な要素の一つになります。

クリティカルエイジは進化の過程で獲得してきた必要な生命現象の一つです。
そして、克服することも当然可能です。

これからはますます寿命が延び、現役での時間も長くなっていきます。
これからの時代は90歳で働き盛りという時代になっていくでしょう。というか、90歳で働き盛りの時代はすでに始まり出しています。
年齢を理由に挑戦、学習をしないのは、あまりにも勿体無い!
「思い立ったが吉日」ではないですが、興味のあることは、まずはやってみましょう。
そして、日々素晴らしい日を自ら作っていってください。

今回の記事の内容は、老若男女問わずに使える内容です。
もちろん、身体動作だけでなく、知識の学習にもしっかりと使えますので、例えば資格試験とか受験にも、十分に利用ができます。
是非とも皆さん、参考にしてみてください。


それでは、今日も最高の一日を。



主な参考書籍

頭の回転が50倍速くなる脳の作り方~「クリティカルエイジ」を克服する加速勉強法~ 
苫米地英人
フォレスト出版
2007-06-21