現在の日本は、「超情報社会」と言われるくらいに、情報や知識が生活に影響を与えている時代です。
多くの人は、知識や情報は、自分の可能性を広げてくれる、高めてくれる…という認識を持っているのではないでしょうか?

しかし、「表裏一体」という言葉がある様に、物事には必ず裏と表の側面があります。
今回の内容であれば、知識や情報に対して多くの人が認識をしている感覚は、間違ってはいません。
ただ単に、認識している内容が足らないだけです。

そして実はほとんどの人が、この「知識や情報の暗黒面」からの悪影響を知らない間に、強く受けているのです。

知識や情報は、必ず心理的な盲点を作り出す

この「心理的な盲点」のことを、「タイス式コーチング」や「苫米地式コーチング」では、「スコトーマ」とい風に呼んでいます。
これらの内容を知っている人であれば、このスコトーマの語源は同名の眼の病名から来ているのはご存知のハズです。

盲点という言葉の通りに、ある情報や知識を手に入れ、受け入れることで、「思考活動において死角が出来上がる」のです。

このように書くと何やら難しそうな感覚を持つ人がいそうですが、現象としてはすごくシンプルです。
例えば、原発賛成派と反対派では自分が受け入れている知識や情報の重要度が違います。
このときの違いによって情報的な死角が出来上がるのです。
例えば、賛成派の人にとっては、賛成派と認識が出来るような情報を優先的に採用をするので、パッと見は反対派に見えるが、よく考えると賛成派としての情報として認識が出来る内容を自然と除外をするようになります。

もう少し身近な例であれば、ジョギングはダイエットに最適であるが、食事のコントロールは効率が悪い…という考えの人は、ジョギングに近い範囲の内容は積極的に受け入れていきますが、食事関係の内容に対しては、ほとんどが思考を行わないで反射的に判断をします。

この時に、運動効率とダイエット効果を高めるには、○○という食品が効果的である!という情報があったとしても、ダイエットにおいて食事に関係する内容を基本的に受けて入れていない人にとっては、自分にとって有益な情報でも、安易な理由から無駄にしてしまうのです。

情報の取捨選択のときに「歪み、偏り」が起きるのは、すでに書ているように、スコトーマと呼ばれる心理的な盲点が「無意識的に働いている」ことが原因になります。
そしてこのスコトーマが、皆さんの世界を、可能性を制限するしているのです。


情報に良いも悪いも無い

ただし、スコトーマという脳の機能は生得的なものであり、この機能をすべてなくすことは、不可能になります。
そもそも、この機能は人間が生きるうえでとても大切な機能でもあります。
コーチングなどでは、この機能をプラスの方向に働くように訓練をしていきます。

実はこのようなプラスとマイナスに働くのが、今回の記事の中心となる知識や情報になります。
ちなみにこのように書くと、知識や情報とは、存在をした段階から、プラスの情報、マイナスの情報として生まれてくる…と思っていませんか?

ハッキリ言いますが、そんなことはありません。

何がプラスで、何がマイナスかは、情報の受け手である、あなたによって変わるのです。

例えば、今の会社の経営状態がかなり深刻な状態であり、倒産をする危険性がかなり高まっている、という情報は、基本的に好ましくないマイナスの情報という認識になるハズです。

しかし、この会社が超絶なブラック企業で、今まで何度も転職をしようとしたが、事あるごとに転職を妨害されていたとします。
そのような状態で、今回のような情報を入手し、この情報を会社を辞めるために有効に利用するぞ!という人がいた場合は、この情報はとてつもなく有難いプラスの情報になります。

この時の元となる情報はどちらも同じものです。

しかし、人や状況によってプラスとマイナスにハッキリと変わるのです。
そして、その時の変化の起点は、その情報を受け入れている人になるのです。


知識や情報をそのまま受け入れるな

先程の例でもわかる様に、何が良くて、何が悪いのかは、その人というフィルターによって変わってきます。
そして、このフィルターは生きている限り無くなることはありません。
ただし、変化をすることはあります。
例えば、先程の原発賛成派の人が、あるときから反対派に変わった…というような例です。

他の例であれば、あるアスリートが今までは朝食を和食にしていましたが、色々な情報や知識を手に入れ、自分なりのゴールをもとにして思考を行った結果、練習がある日の朝食はトーストを基本としたメニューに変更をした!という例があったとします。

今までは、昔からの習慣で、毎日ご飯を中心とした和食の朝食を食べていました。
しかし、その人の身体感覚が高くになるにつれて、身体の内側の些細な変化にまで敏感になる様になりました。
この些細な感覚を解消するために、その人は色々な情報や知識を手に入れ、その都度、実際に身体を動かして、思考と身体感覚を、毎日クリティカルに見ていました。
その作業の結果たどり着いたのが、練習前の朝食はトーストを中心としたメニュー、という「その人なりの答え」に行きついた訳です。

多くの人が、情報や知識がマイナス方向に働いてしまうのは、思考をしないで、そのまま「発信者の意図のままに受け入れてしまうから」です。

これは時代にもより変化をしますが、現代の日本においては、ほとんどの情報は、発信者の利益(だけ)を叶えるために発信されているものが、とても多いのです。
それは、このようなネットの情報だけでなく、音楽やエンタメなどの内容も含む幅広い内容に言えます。

例えば、マスメディアを中心に良く採用をされている方法の一つに、「受け手の恐怖心を煽る」、つまりは「何かしらの脅し」という方法があります。
これは、将来の不安をあおって無駄な商品を買わせるような内容が一般的でしょう。
そして、このような脅しによる内容は、思考をする習慣が無い人ほど、簡単にハマります。

この時に言えることの一つに、実際に商品は買わなくても、その思考停止の人が、同じように脅しを広める役割を担うようになることです。
これは、ネットを見てみればすぐに理解ができるでしょう。
当事者ではない人が、無自覚にワイのワイのと騒ぎ立てている内容は、今や日常的と言えます。

もちろん自分で考えて情報を発信している人は良いのですが、ほとんどの人は、すでに書いた様に、反射的に、「感情的に」反応をしているだけです。

先に答えを書いておくと、論理的に情報に触れようとする姿勢を持たないことには、いつまでたっても、情報を使う側でなく、情報に振り回される側から抜け出せません。

そしてそのような状態では、世界はどんどん狭く、暗くなる一方なのです。


まずは、その情報を疑う視点を「増やせ」

論理的に情報に触れる…と書くと、何やら難しそうに感じますが、基本的な部分ではそこまで複雑なことはありません。
その中で簡単にできる内容の一つが、目の前にある情報を「疑う」という視点を「一つ加える」ことです。

これは、すでに書いているように、疑うという視点にすべてを切り替えろ!ということではなく、今までの視点に疑うという視点を「追加する」ということです。
もしくは「真逆の視点を追加する」のでもいいでしょう。これであれば、そこまで難しくはないでしょう。

例えば、コーヒーが大好きな人が、その大好きな視点に、真逆の「コーヒーが大嫌い」という視点を使って実際にコーヒーを飲んでみるのです。
その時のコツの一つは、実際にコーヒーが嫌いな人になりきってみるのです。
身近な人がいるのであれば、その人をモデルにして、できれば直接、なぜ嫌いなのか?ということを聴いてみてください。
それができないなら、ネット中心でいいので、コーヒー嫌いな人たちの内容を参考にしてみてください。
このようにしてコーヒーが嫌いな人の視点でコーヒーに触れることで、今まではスコトーマになっていた、コーヒーが嫌われる理由が色々と見えてくるでしょう。

そしてこの、コーヒーが嫌いな理由と今までのコーヒーが好きだったという理由を統合することで、今までよりも大きな情報を認識することができます。
そしてこの大きくなった情報を有効に活用をするかは、あなた次第なのです。


情報は自らコントロールする

先程の例であれば、自分が某コーヒーメーカーの開発担当だったとします。
丁度、未開拓の新規顧客の獲得という課題があったとしたら、先程の情報を上手く使って、「コーヒー嫌いの人でも美味しく飲めるコーヒー」という商品を開発するために、試行錯誤を繰り返し、歴史に残る新商品を開発する!という目標を設定したとします。

このような感覚で、情報は自分にとって有益な情報であれば、どんどん使う。
逆に、不要だと思う内容は、積極的に排除する。という、実際に言われればシンプルで、ありきたりな内容ではありますが、この二つをしっかりと行うことを日常化することは本当に大切なのです。

というのも多くの人は、このどちらでもない、なんとなくの曖昧な感覚で情報に触れています。
元々があいまいな基準で情報に接し始めるので、中途半端な判断になり、例えば、SNSなどで時間を無駄にしてしまう…という現象が良く起こるのです。

では、この時の基準はどうしたらいいのか?というと、それは、自分がどのようにしたいのか?という自己のイメージに影響をされます。

例えば、私のように他人の悪口を言って喜んでいるようなサイトや、サイトの情報は速攻で無視をする!という風に決めておく、というような感覚で決めて行けばいいのです。

もちろんこれ以外にもいろいろな判断基準がありますが、それらも含めて、自然と、無意識的に活動をしてくれるのが、最初の方に書いたスコトーマという機能になります。

スコトーマとは、絶対不変なものではなく、自分の自己イメージによって変化をしていきます。
その変化を促す一つのきっかけが、「思考」になります。

情報や知識に触れるときには、必ず思考という作業が必要になります。
ただ、本音を言えば、思考停止で情報に単に触れている人が大半ですが…。

そして、思考停止の原因の一つは「ルーティン」になります。
もっと正確に言うのであれば「思考や判断処理におけるルーティン」になります。
これは例えば、○○の国の人たちは最悪であるというような、「決めつけ」をイメージしてください。
このような悪質な偏見などはそこまで多くは無いでしょうが、ここまででなくとも多くの人には、このような思考停止になるルーティン処理が沢山あります。

その中の一つに、すでに書いた様に、感情的に情報に触れる…という内容があります。
もちろん、感情的に感じることも大切です。
しかし、それだけではマイナスに働くことが多いのです。
その理由の一つに、感情に訴えかけて自分の利益に誘導をしようとする人たちが多くいることです。
ですから、そのままの状態で情報をすべて受け入れると、どうしてもマイナスな要因が強くなるのです。

理想的なのは、極力マイナスな部分を無くすことです。
その為に、自分の力で、思考作業で、マイナス部分を無くしていくことが大切です。
このようにして、受け入れた情報を自分の中でコントロールをして、そしてそのコントロール下に置いた情報を有効に活用をするのです。

現代は情報が溢れています。
それは、皆さんよくご存じだと思います。

しかし、実際にそれらの情報に対して、どのように接するのか?と、自らが考えて決めた「マイルール」を持っている人はかなり少ないです。
当然ですが情報をコントロールするにも、そのコントロールをする基準が無ければ、操作など不可能です。
ですから、まずは情報における「マイルール」を持つようにしましょう。

そして、それができたら、そのルールに従って、情報に触れていき、情報を利用していくのです。
また、一応書いておきますが、このマイルールも「更新をすることを前提にする」ことです。
これは、実際のスポーツや法律などを例にすればよくわかるでしょう。

つまりは、絶対不変で、固定的なマイルールにしない!ということです。
それらも含めて「一つの情報」ですから、しっかりと思考をして処理をしていくのです。

難しく聞こえるかもしれませんが、これも慣れですので、少しずつでも習慣化してみてください。
ある程度まで馴染んでくると、ある瞬間から急に、今までと違う感覚を感じられるはずです。

皆さんの日常がより大きく、豊かになることを願っています。


それでは、今日も最高の一日を!